K2クラブハウス
2023年6月14日

【イベントレポート】4/20 学校に行かない生き方って知ってる?#4

Bon

『学校へ行かない生き方』第4回に彗星のごとく現れた大物ゲスト、磯田浩司さん。

どのくらい大物かというと、スリランカで切手の肖像に選ばれるくらい大物です。

(こ、これは失礼があったら国際問題になってしまうでぇ・・・!)

今回は磯田さんが代表を務める『NPO法人Good!(以下グッド)』の活動の紹介も兼ねた配信のハイライトをお届けします。

キッカケはデカい方がいい

最初にピックアップしたい部分として、学校・職場・家族・友人など、自分を取り巻く様々な『社会』に馴染めなくなった時にどうすればよいか、という課題に対して、磯田さんが語ってくれた部分が印象的でした。

学校に行けなくて家に閉じこもっている状態って確かに引け目がありますし、「この期間は何をしてたんですか」なんて聞かれると、やっぱり即答するのは厳しいんですよ。

立ち止まって色々考えるための準備期間だったのは確かだとしても、いざ自信を持ってそれを語るには、やっぱり何かしら体験があった方が話しやすい。

ただ磯田さんの言うように、サッカーとかバスケみたいな経験者がわんさかいる領域にいきなり挑戦しても、道化役をやらされている感があって面白くないのもまた事実。

だから何をやっても続かないし、飽きっぽい自分にますます嫌気が差して何もしなくなる。

この状況を打破するならスモールステップよりラージステップ・・・というより「アァァァイ・キャァァァン・フラァァァァイ!!」ぐらい飛躍した体験が必要で、それがグッドで行われる様々なイベントに取り入れられてるんだなと感じました。

よっ友と閉塞感

もちろん、行き詰まったら必ず海外へフラァァァァイするのが正解、ってわけではありません。日本国内でも様々な挑戦はできると磯田さんも仰っていました。

しかし、『よっ友』に象徴される学校の閉塞感やその乗り越え方について言及してくれたように、現代日本では人間関係を表面的な付き合いに留めようとする意識が年々強くなっている気がします。

『私のNOが誰かのYES』と言われるように、人間関係には相性ってものがどーしてもありますし、お互いの内面に踏み込むような話題って摩擦が起きがちですから、物理的にも精神的にも距離を置きがちになるのは仕方がないのかもしれません。

ですが、グッドで行われるスリランカでのワークキャンプのように、ジャングルに囲まれた村で生活している現地の人と同じ釜の飯を食い、同じ山を超え、共に仲間と過ごす生活・・・人の営みの原点ともいえる体験には、これまでの価値観がひっくり返り、閉塞感を打ち破ってくれるような期待感があります。

もちろん、いつも良い方向に転がるわけではないかもしれませんが、あえて非日常に飛び込むことで、いざという時そこから離れやすい気安さがある、という磯田さんの言葉を含めて考えると、『スリランカで井戸掘ってました』とか『ヨットで太平洋航海してました』とか、少し無茶をした方がある意味理にかなっているんだなと改めて思いました。

自分壊しの旅

もっとも海外ボランティアはそれこそ就活とかで自己PRに使う、数あるネタのうちの一つにされているところもあるので、そこから何を得たかが重要なのは言うまでもありません。

ただ磯田さんが訪れたスリランカやモンゴルの滞在場所を聞くと、もう行って帰ってくるだけでも「てーしたもんだな!」ってコメントしか出てこなくてですね。

なにせ電気もガスも水道もないとかは序の口で、道路や山道が舗装されておらず移動もままならない→「だったら象に乗ればいいだろ!」とか、トイレにドアがついてない→「もう草原でよくね?」→「犬がずっとついてくるんですけどぉぉぉぉぉ!?」とか、面白おかしさの裏に現地の不便さや抱えている課題がありありと伝わってきます。

一方、そこで暮らしている人達は不満たらたらで常にギスギスしてる、なんてことはなく。

昼は抜けるような青空の元で日々直面する問題に取り組み、夜は虫や獣の声で満たされるジャングルで眠る。

そういう環境で生活すれば、人間ってどんな環境でもたくましく生きられるってことが嫌でもわかると思いますし、それと同時に、現地の人達と比べれば肉体的にひ弱な自分たちにも『出来ることがある』と分かってしまえば、ゆるい絶望に囚われた心なんか吹っ飛んでいく。

参加していた人達の顔が日本に帰る頃には別人のようになっていた、なんて表現が誇張じゃないと確信させてくれるくらい、エネルギッシュで刺激的なお話ばかりでした。

自分のストライクゾーンを広げる

「今の日本では学校へ行きたくても行けない、あるいは行けなくなった後の仕組みができていない」と磯田さんが仰ったように、情報や選択肢が少ないと取れる行動にも限りがあります。

グッドで行われている様々なイベントも、『ボランティアやワークキャンプなどの取り組みを通して自分の生き方を模索する』、という手段自体を知らなければ、参加するのもままならないわけです。

学校には様々な人や情報が集まりますから、学校でしか出会えなかった人・学校でしか出来なかった経験というものが確かにあります。

だからこそ、学校へ行かなかったからこそ得られた時間は、色々な人に出会い色々な場所に赴くことで、自分の世界を広げることに使っていかなければならない。

『色々な生き方ができる』。この言葉を実践するための道標を得られたような1時間でした。

磯田さんのスバラシイ人生に『いいね!』がつきますように。グッド!

Bon

最初に就職した会社を半年で退職後、非正規たまにひきこもりの末、ECサイト運営の仕事に就くも1年で新型コロナでサイトが閉鎖。その後K2に漂着。 「何事も要領よくこなせる人」「何が何でも諦めずに目標を達成した人」に憧れながらも、そんな人に「なれない」まま、群れから離れて生活する一匹狼の私。「都市型道士の一匹狼生活」はそんな私のような人が今日を生きるためのきっかけを掴める場所です。