K2クラブハウス
2025年12月26日

誰もダンジョンに入ったことがなかった頃(前編)-TRPGが「革命」だった時代-

編集部

今回の“オタ語り”は、今の若者にはちょっと想像しづらい、「誰もダンジョンに入ったことがなかったころ」のRPG体験。ゴブリンもスライムも、まだ“お約束”ではなかった時代に、サイコロと想像力だけを頼りにダンジョンに入っていった人たちがいました。きっかけは、しんたくんがふと投げかけた「最初にTRPGに出会ったのって、いつ?」という一言。そこから、高橋名人さんとしんたくん、それぞれの“原体験”をたどる座談会が始まりました。(前回の郵便で世界が動いた頃『蓬莱学園』を語る!を語るも是非ご覧ください。)

今日のテーマは、ぼくらが初めてテーブルトークに出会った時の話です!これいつか話したかったんですよね~!ぼくは中学生の頃で、ドラクエが出たか出てないか、ちょうどそのくらいの時期でした。

中学生だと、ちょうどドラクエ1が出たかどうか、ギリギリのラインですね。

そうそう。その頃って、アクションゲームじゃないゲームが出たってだけで、もう衝撃だったんですよ!ぼく、アクション苦手だったから、すごく嬉しくて。

80年代前半ぐらいですかね。

そうですそうです。ちょうどその頃に、僕が中学生1年生の時ですかね。中高一貫校だったんだけど、初めての学園祭で、高校生が主催しているテーブルトークをやってる部屋があったんです。

入るの、相当勇気いったでしょ。

めちゃくちゃいりましたよ。しばらく部屋の前を行ったり来たりして、もう学園祭の終わりかけのころ、入ったんですよね。どの卓も解散していたんだけど、中一が来たってことで、ちょっとだけ遊ばせてくれたんです。

立ったまま輪になって会話してるところに、混ざった感じですよね。

まさにそれです。D&Dだったと思うんですけど、ダンジョンに入って、右に行ったり、ゴブリンと戦ったり。

学生服着てこんな感じだったかも?

今聞くとシンプルですね。

でもね、当時はそれがもう、ものすごく熱かったんですよ。

人生初のダンジョンですね。

そう。TPRGもシティアドベンチャーだの、SFだの、ホラーだのと色々と広がっていったけど、当時は本当にダンジョンに入るだけ。右か左か、扉を開けるかどうか、それだけで盛り上がれた。

想像力の密度が違いますね。

方眼紙にえんぴつで線をひいてダンジョンの地図をつくっていくんだよね。もうそれだけでわくわくするよね。何回か戦闘があって、最後にボスっぽいのを倒して終わり。多分1時間くらいでしたけど、忘れられない体験でした。

終わりかけから1時間やってくれるって、かなり本格的ですよ。

今思えば、よく遊んでくれたなと思います。

D&D自体は知らなかったんですけど、初めてのダンジョンってところ、すごくおもしろいなと思って。今の感覚で例えられないくらい、新しかったってことですよね。

そう。あの空気感をわかってほしい。そういったものが周りに全くないっていう世界だったんだよね。

今はゴブリンって聞いたら、アニメやゲームのイメージが浮かびますけど。

当時はね、誰もダンジョンに入ったことがないんだよ!?人生で一度もダンジョン入ったことないんだよ!?

そもそも“ダンジョンって何?”から始まるわけですよね。

そう。地下迷宮っていう概念自体が初体験。ゴブリンもスライムも、全部が新鮮だった。

あーそうなんだ。ぼくはドラクエやFFでしったなー。

そういえばドラクエのモンスターも、元を辿るとD&D由来が多いです。あと、ドラクエ1のパッケージの戦士、あれD&Dのアートへのリスペクトなんですよ。

え、そうなんだ!

D&Dのパッケージ
ドラゴンクエスト1ファミコン版のパッケージ

ファイナルファンタジーは、さらに露骨だったりします。

たしかクアール(FFシリーズに出てくるモンスター)とかもね、D&D由来だよね。ルールブックに載ってた気がする。

クアールは実はSF小説が元ネタだったりします。ヴァン・ヴォークトって人の。

うわぁ、さすが詳しい、、、

D&Dはファンタジーゲームの起源みたいな感じなんですね。

そう、モンスターもさ、みんな初めて出会うわけ。ゴブリンとかも。いまはもう手垢ついちゃってるけど。

次は高橋名人の出会いを聞きたいです。

ぼくは小学校のころですね。ウォーゲームのつながりからでした。軍隊同士をボードで動かすゲームで、それを出してたツクダホビーの会報があったんです。切手を700円分くらい貼って郵送すると届く時代です。

スマホ決済とかない時代ですね。今の若い人は完全にポカーンですね。

その会報に、多摩豊さんっていう、日本にRPGを広めた人の記事が載っていて。アメリカではRPGが大流行している、って紹介されてた。

それはワクワクしますね。

でも相手がいなくて、数年は“知ってるだけ”の存在でした。中学に入ってから、今度はゲームブックブームが来る。

本で遊ぶやつですよね。選択肢を選んで指定のページに飛ぶ。

それです。ファイティング・ファンタジー シリーズですね。その流れで、RPG版のファイティング・ファンタジー ダンジョニアが出て、友達と1対1で遊んだ。

マスターとプレイヤーで?

そう。それでリプレイっていうTRPGをやっている様子を物語調にしたものが雑誌に載っていて、それを順に友達に読ませて、4人ほど沼に引きずり込んでいきました(笑)

当時はみんな飢えているからハマるよね。

何しろ学校に昼休みの時間本読んでるから、「何読んでるの?って」聞いたら、
J.R.R.トールキンの指輪物語っていう、お前その分厚いの六冊読むのかよって言われて。

ぼく、買ったけど全部読めなかったなぁ。。。。

そういう変態度を揃えた五人が揃ったみたいな。

最初にやったときって、どんなキャラクターだったんですか?

ファイティング・ファンタジーは、基本的に選択肢は一つだけで、戦士だけですね。

そうか、ゲームブックと同じだ。

そう。能力値も「技量点」「体力点」「運点」だけ。魔法システムを入れるだけのページ数がなくて、そこまでは実装されていなかった。だから能力値の大小はあっても、全員戦士しかできない。

冒険の舞台に「願いの井戸」っていう場所があって、ゲームブックにも出てくる有名なシーンなんですけど、そこにクモの化け物みたいなのがいて、それを倒して奥に進むと、また色々出てくる。

うんうん。そのくらいのシンプルさなんだけど、めちゃくちゃ面白いんだよね。

そう。だって、我々にはまだドラクエもないわけですから。。

今では当たり前のように享受しているRPGゲーム。その原点を知る男たちの語りは後編へと続くのであった。。

編集部

K2インターナショナルグループから放たれた現代社会への刺客。書類上は七人で構成されていることになっているが、実態は謎に包まれている。組織のモットーは『節度ある暴走機関車』。