M6ミュージカルアクト
2023年1月19日

Vol.4 台本から自分で書くのがK2スタイル

スタッフS




既存の作品を舞台化するにしても、発表するに当たりどこをピックアップし、ストーリーをどう表現していくのかは決めていく必要がある。
今回はそんな台本書きに関するエピソードをご紹介します♪



作品が決まり、なんとか歌の練習はスタートしていくことが出来た我々ミュージカルアクト。そこから上演作品にしていく上で、まず一つ課題になって来るのが…




「台本を書く」こと。


既存の台本が存在しない以上避けては通れない道。
ただ、誰が書くのかあやふやなまま、気付けば11月も後半に…
発表1カ月前にまだ台本が出来ていない(そもそも手を付けられていない)という、
恐ろしい事態となっていた。

もうさすがに腹をくくり、私が書くという決断に至った。


戯曲を書く。
正直、戯曲自体には人並以上に馴染みがあった。
大学を卒業し、韓国に語学留学していた私は、
その後韓国で大学院に進学、韓国の国文科で「韓国戯曲」の研究をしていたからだ。


こう言うと、
「なんだ、すぐ書けるじゃん」
「もったいぶらずに初めから引き受ければよかったじゃん」
と思われるかもしれないが、そうではない。

私が行なっていたのはあくまで「研究」で「創作」ではないからだ。
なにが違うかと言うと、全然違う。

「研究」は作品を分析し、作品の外からあーだこーだ言う作業である。
作品を生み出すこととは、全く別物なのである。

しかも私はその戯曲研究の中でも「韓国戯曲」のみを対象に行なっていた。ひどくマイナーな世界である。
なので、戯曲の形式は知っているが、書いたことは一度もなかった。


それゆえ書くこと自体も課題になってくるのだが、
もう一点難しいこととして、


「どこまで想定するか」があった。


戯曲は「舞台化を前提とした読み物」なので、
想像上の舞台を頭で描きながら書くのだが、
その描き方は人それぞれ。

実際の舞台は演出家の領域でもあり、
劇作だけ行なって演出をしない作家もいれば、
劇作から演出までを行なう作家兼演出家もいる。

ただ今回は時間もない中なので、
演出の領域まで文面化していかないと、間に合わない状況であった。

どういう事かと言うと、
誰がどこから出てきて、はけていくのか。
このシーンで何人登場すると絵的に見栄えがするのか。
次のシーンとの兼ね合いに無理が無いか、などである。

頭の中でパズルを組み立てていくようなイメージ。
そのように、パズルのピースを組み替えながら、
同時にストーリーとしても違和感がないように書き進めていく必要があった。

・・・
焦りというものは創作に非常に良いスパイスなようで、
書き出してみたら2日で仕上がった。

もちろんそのあと台本読みをしながら直しは加えていったが、
11月中には、どうにか完成に至った。

▲仕上がった台本。台本とは別に、歌詞にカタカナを振った歌詞集も作成した。





生みの苦しみはあれど、
自分で書いたものを基に皆が喋ったり動いているのを見ると、
なんだか嬉しくなりました♪




・・・・・・・・
今日のミュージカルしなかった度 90%
実際には卓上の作業だが、台本を描きながら舞台を思い描いていたのでマイナス10%。

スタッフS

K2所属3年目のスタッフ。敬愛するものは太陽の塔(岡本太郎と言うより太陽の塔)。他にも民芸品や美術品など、生活の糧にはならないが心の糧になるものをチマチマ集めながら暮らしている。