誰もダンジョンに入ったことがなかった頃(後編)〜想像の世界をどう遊びにしたか〜
誰もダンジョンに入ったことがなかった頃。
コンピューターがまだない時代、ファンタジーはどうやって“遊び”になっていたのか。
前回に引き続き話は、そんなところへと転がっていく。
分岐する小説という発明
ゲームブックって言われても、現代人にはあんまり伝わらないかな?
ファイティングファンタジーシリーズっていう有名なシリーズがあったんですよ。
ゲームブックって、本でロープレみたいなやつですか?
戦うとか、選んだら何ページに飛ぶとか、そういうやつですか。

ああ、それです。
やったことありますね。マザー2とか、その辺のが出てて。
ああ、そういうのの元なんですね。
火吹き山の魔法使いとか、当時は有名でしたね。
僕ソーサリーが好きで、再版したのを持ってますよ。

ソーサリー再販版! 四冊セットで、ハードカバーのやつでしたっけ?
結構お高くなってませんでした?
ほら、これです。一冊1200円ですね。

普通ゲームブックって1冊完結なんですけど、これは四作の連続作品なんですよ。

だから、ドラクエで言ったら1・2・3みたいなノリで続けて遊べる。
そうそう。画期的だったんだよー。
ゲームブックって、何歳くらいのときでした?
ファイティングファンタジーを知ったのは、小学生の頃ですね。
ああ、やっぱりあのぐらいの年(1980年代半ばごろ)に、やり始める人はやり始める感じなんだね。
多分、そこら辺から五年間ぐらいが、ちょっとしたブームだったと思いますよ。
ファンタジーゲームはどこから来たのか
全部のゲームって、どこかで繋がってるんだよね。
そういえば、TRPGとゲームブックって、どっちが先だったんだろう?
最初に出たテーブルトークって、D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)なのかな?
D&Dです。今年か去年、50周年を迎えましたね。
じゃあ、D&Dは1974年ごろに誕生か!?
ゲームブックは、バンタムブックスの『君ならどうする』が1979年。
ファイティングファンタジーの『火吹き山の魔法使い』は82年発行ですね。
さらにたどると、ファンタジー小説とかになってくるんですか?
D&Dの直接の親は、アクチュアルウォーゲームなんですよ。
ナポレオン戦争とかを再現するやつで、フィギュアが25個あって、
メジャーで何インチ動かすか、みたいなルールで戦う。

うわ、そんな感じのゲームだったんだ……ほんとすげえ。
そこにトールキンの『ロード・オブ・ザ・リング』的な発想が入って、
軍隊じゃなくて、個人をフィーチャーしたゲームができないか、ってところで
D&Dが生まれたと言われてます。
そう考えると、すごく斬新なゲームのスタイルなんだよね。
魔法という“遊び方”の工夫
D&Dって、攻撃の成否やダメージをサイコロで決める、サイコロの魅力があるんだけど、それとは全然違う魅力が、魔法にはあるんですよ。魔法をどう表現するかって、当時はいろいろ工夫してて。

D&Dの取った方法は、朝、冒険に出る前に、その日に使える魔法を決めるんだよ。
「今日はこの魔法と、この魔法と、この魔法を覚えていきます」みたいな感じで。
で、使うと忘れる。なんで使うと忘れるんだ、って思うんだけど。
ちょっとしたギャンブル性があるわけですよね。
覚えても、その魔法を結局使わないかもしれない、っていうギャンブルね。
今から行く場所はこういう所だから、こういう魔法が必要なんじゃないかって考えて、
どの魔法を覚えるかを宣言する。
弱い敵がたくさん出るなら範囲攻撃。
街中なら心を読む魔法。
使える魔法も三回とか、回数制限があるから、
今使うか、それともここでは使わない方がいいか、っていう緊張感がある。
結構、緊張感ありますね。
そう。魔法以外は弱いから、魔法使いの方が緊張感あるんだよね。
今はMP制で好きなの使えるけど、
その分、事前に予約しておかないといけない味はなくなりましたね。
まだ初めてTRPGをやったときの話しかしてない
おっと、あっという間に時間がたってしまいましたね。
まだ今、TRPGを初めてやったときの話しかしてないです(笑)。。
途中、ファンタジーゲームの起源の話にもなりましたけど、当時の状況をいろいろ話せました。
まだまだ想像の世界を、いろんなやり方で遊びにしていたので、また次回、もっとディープな話で盛り上がりましょう!
